切る牌に迷ったとき、頼りになるのが「形の序列」です。どのターツが強く、どの孤立牌が弱いか。ここが体に入ると、多くの局面が「弱い形から切る」だけで解けるようになります。
1. ターツの強弱 — 両面・カンチャン・ペンチャン
あと1枚で面子になる2枚組をターツと呼びます。ターツには3種類あり、受け入れ(有効牌)の広さが違います。
- 両面(リャンメン) → 2種8枚
- 嵌張(カンチャン) → 1種4枚
- 辺張(ペンチャン) → 1種4枚
結論: 両面はカンチャン・ペンチャンの2倍の受け入れを持ちます。だから「両面を残し、辺張・嵌張は(他に十分な形があれば)先に払う」が基本です。しかも両面は最終的な待ちが良く、平和(ピンフ)という役にもつながりやすい形です。受け入れの広さ・待ちの良さ・役のつきやすさと、強みが三つ重なっています。
受け入れ枚数は同じ4枚でも、引いた後に良い形へ変わりやすいかで価値が変わります。序列はおおよそ
ペンチャン < < < < 中央のカンチャン < 両面。
たとえば は や を引くと両面に化けますが、 は化けにくい。「今の4枚」だけでなく「次に何に育つか」まで見ると、精度が上がります。
中級のポイント:辺張・嵌張が“即切り”にならない例外例外あり
弱いターツでも、役の母体になっているなら話は別です。
- のペンチャンも、一通(123456789)やチャンタ/純チャンを狙う手なら残す価値が出ます。
- 三色(同じ並びを3色)の一部になっているカンチャンは、役に絡まない両面より優先されることがあります。
- ターツが足りない序盤は、弱い形でも「ブロックの数を増やす」意味で残すことがあります(→選択編)。
「辺張だから切り」ではなく、その形が何を作ろうとしているかで判断が変わります。
2. 孤立牌の順位 — 字牌・端牌・中張牌
まだターツになっていない1枚の牌を孤立牌(浮き牌)と呼びます。孤立牌には、伸びやすさの順位があります。
結論(弱い→強い):
字牌 < 1・9牌 < 2・8牌 < 3〜7牌
- 字牌( など)は順子を作れず、同じ牌を重ねるしか伸びません。役牌でなければ、門前の速度では最弱候補です。
- 1・9牌()は、順子の相手になる隣が2方向しかなく、辺張になりやすい。
- 3〜7牌は、前にも後ろにも伸び、隣接ランクが最多。しかも2〜8はタンヤオにもつながる。そのため中張牌(真ん中)が強くなります。
孤立した (中)と のどちらを残す?
役牌でない字牌 から切るのが基本。 は と広く手を組めますが、 は同じ を引くしか前進しません。
役牌(自風・場風・三元牌)は別格です。対子や刻子になればそれ自体が役になり、和了条件を満たせます。同じ字牌でも、役牌かどうかで価値はまったく違います。単純な受け入れ比較だけで切ると損をします。混一色・字一色を狙うときも字牌の価値は上がります。
中級のポイント:孤立1・9牌が“弱くない”とき例外あり
1・9が弱いのは孤立しているときの話です。 や のような複合形に入ると、裸の / よりむしろ強くなる局面があります。また一通・チャンタ・純チャン・国士・ドラ絡みなら、端牌の評価は上がります。逆に、すでにブロックが埋まっているなら、中張牌でも「重なりすぎの浮き牌」になり、見た目ほど強くないこともあります。
3. 対子と雀頭 — 2対子は強く、3対子は弱い
同じ牌2枚の対子(トイツ)は、雀頭(アタマ)の候補として大切です。ただし数には“ちょうどよさ”があります。
結論: 門前の普通手では、2対子は強い(雀頭候補として優秀)/3対子は弱い。雀頭は1つあれば足りるので、3つ目の対子は面子候補の枠を圧迫し、受けが詰まりやすくなるからです。
の2対子なら、片方を雀頭、もう片方は刻子(ポン材)や振り替えに使え、柔軟です。ここに が加わって3対子になると、面子を作る枠が1つ減り、手が重くなりがちです。
中級のポイント:3対子が強くなる/頭を固定すべきとき例外あり
3対子以上は、七対子(チートイツ)への分岐が見えてきます。4対子以上なら七対子シャンテンも同時に数えないと判断を誤ります(→打点と分岐編)。またポンを強く見込む手では、対子が多いほうが有利になることもあります。
雀頭を早く固定するのは、原則として損(その牌の重なり・シャボ変化・複合形変化を失う)ですが、役牌対子・ドラ対子・最終形が明確なときは、先に頭を決めてよい場面です。頭の固定は「速さ・打点・安全」を天秤にかけたトレードオフです。文脈によって答えが変わります。
4. 強い両面も「固定を急がない」
両面は最強のターツですが、強い形をすぐ固定しすぎると損をすることがあります。 のような形は「完成した面子+余り牌」ではなく、2つの両面候補( と )として読むほうが強くなります。早々に1枚外すと、広い受けを失います。
こうした複合形や、見た目ほど広くない受け入れの重なりは、中級の核心です。次章の選択編でじっくり扱います。